環境にやさしいドイツの洗濯機

 報告 広瀬 珠子(ミューヘン在住)


 ドイツの洗濯機は環境にやさしくできるよういろいろ配慮されています。日本とだいぶ違うので情報を送ります。

<洗濯機1>
うちの洗濯機です。つくりつけで、台所のシンク下に入っています。ドラム式で乾燥機ついていません。上の方にスイッチが並んでいて、左からプログラム選択スイッチと水温スイッチです(詳細は下項参照)。右端に表記してあるプログラム(A〜M)内容(詳細は下項参照)の中から好きなものを選んで、左端のプログラム選択スイッチを該当するところまでひねり、洗濯開始スイッチを押します。 lin_067.gif (542 バイト)


<洗剤投入口>
プログラムの表記してある右端の部分は、引っぱり出すと洗剤投入口になっています。中は3層に分かれていて、右と真ん中の層には洗剤、左の層には柔軟仕上剤や洗濯糊を入れるようになっています(下項も参照)。


<プログラム選択スイッチと水温スイッチ>

プログラム選択スイッチ(左)と水温選択スイッチ(右)。
下のマニュアルを見るとわかりますが、プログラムのAからFまで(薄緑色ゾーン)は 「普通の洗濯物」、HからLまで(ピンク色ゾーン)は取扱注意のデリケートな素材、 M(黄色ゾーン)は毛(ウール製品)の洗濯用です。水温選択スイッチは、プログラム (詳細は下項参照)で指示されている範囲の水温から選びます。
「*」のところにしておくと洗濯機のヒーターはOFFになり、水道水の水温そのままで 洗濯します。30℃〜95℃の間の温度を選ぶとヒーターで水をその温度にあたためて 洗濯します。


<オン/オフ・スイッチ>
一番上が「洗濯開始スイッチ」。プログラム選択スイッチをひねってから、 これを押すと、自動的に洗濯工程が始まります。2番目から4番目までのスイッチは それぞれ「脱水OFF」「水追加」「すすぎ追加」を指示するスイッチです。


<洗濯プログラムの一覧表示>
洗濯プログラムの一覧。これにしたがって、好きなプログラムを選び、 プログラム選択スイッチのつまみを該当するアルファベットのところまでひねり、 真ん中の洗濯開始スイッチを押すと自動的にスタートします。
尚、マニュアル(下項参照)に詳しく書いてありますが、ここに書いてある「40-95℃」などの 温度表示は、温度選択スイッチでこの範囲の温度を選んでください、という意味です (「*」印は水道水を加熱せずにそのままの水温で洗濯すること)。

それぞれのプログラムの内容は以下のとおり:
A 予洗い付・白物/色物洗濯 40-95℃
B 白物/色物洗濯 40-95℃
C 色物洗濯 40-95℃
D 色物洗濯 *-40℃
E すすぎ
F 柔軟仕上・脱水
G 予洗い付・デリケート素材洗濯 *-60℃
H デリケート素材洗濯 *-60℃
J デリケート素材洗濯 *-40℃
K すすぎ
L 柔軟仕上・短スピン脱水
M 毛物洗濯 *-40℃



<マニュアル:各プログラムの内容>
マニュアルはドイツ語、英語、イタリア語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、 オランダ語の7ヶ国語で書かれていますが(この写真は英語版)、すごくややこしいです。 この表にあるプログラムのA、B、C、D…は、洗濯機のプログラム選択スイッチの表示と同じで、 そのプログラムに適している洗濯物の種類(白物、色物、木綿、化繊、ウール等)が 書いてあり、それぞれのプログラムに適する水温、洗剤を溶かす水、1回に 投入できる洗濯物の量(乾燥した状態での重量)が書いてあります。

水温については、@とAの2つの欄があり、@は水温選択スイッチのついていない 機種用(その場合は自動的にここに書かれている水温で洗濯される)ですが、 うちの機種は水温選択スイッチがついているのでAに該当します。
つまり、ここに 表示されている水温の範囲から好きな水温を自分で選んでスイッチをまわします。

洗剤を溶かす水については、上の<洗剤投入口>の写真でわかるように、 洗剤投入層は3層に分かれていて、洗濯機のスイッチがONになると、層に水が入って 洗剤を溶かし、洗濯層に流し込むような仕組みになっています。この表では、 その3つの層(表では「III」、「II」、「I」のようなマークで表示してある)のうちのどこに 水が入るのか、その水が冷たいのか温かいのか、などが書いてあるようです。

「III」層は柔軟仕上剤や洗濯糊を入れる層、「II」層と「I」層は洗剤(洗濯石鹸)を 入れるための層です。この洗剤を溶かす水の水温が、冷水(グレーで表示)、 黒(温水)、中間色が「Hot/Cold(冷水/温水)」ということのようです。


<マニュアル:使用する洗剤の種類と量>
軟水硬水についてと、それぞれのプログラムで使う洗剤の適量について、詳しく書いてあります。
硬水度は1から4までで、私たちの住んでいるミュンヘンは3度(硬い)です。
洗剤の箱に通常、それぞれの硬水度に適した洗剤の量が書いてあるので、その表示を見て、自分の住んでいる地域の硬水度に合った量の洗剤を使うように、ここにも書いてあります。左上の表は各硬水度の説明です。
2ページ目下の2つの表は各プログラムの洗濯所要時間と消費エネルギー量です。


<洗濯用粉石けん>
うちが使っているエコバ(ECOVER)という洗濯用粉石けんです。
自然食品(&自然素材)店で買いました。液体バージョンもあります。
箱の表に「エコロジーに配慮した 色物洗い用 洗濯石けん」と書いてあります。それから「30℃ 40℃ 60℃」と書いてありますが、これは、洗濯機の温度選択スイッチで水温を選ぶ場合には、この粉石けんにはこの温度が適しています、ということです。


<粉石けんの箱側面>
洗濯用粉石けんの箱の側面の「使用説明」表示です。

「硬水度と洗濯物の汚れ度合いに適した量の石けんを計って使ってください」と書いてあり、表は「1回分の洗濯に適する使用量(乾燥した洗濯物4〜5kgに対し)」で、縦軸が3段階の硬水度(軟水/中間/硬水)、横軸が汚れ度合い(軽い汚れ/普通の汚れ/ひどい汚れ)です。


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