紫外線はどのくらい危険なのか?

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天気予報で「今日の紫外線情報・・・」とやるものですか不安になります。学校や幼稚園で「紫外線カット帽子」をかぶったり、日焼け止めクリームを塗ったりしているそうですが、ちょっと疑問もあります。紫外線の急性反応と慢性的な害とがごっちゃになって、過剰反応になっているのではないでしょうか。

インターネットでさがしてみると紫外線についてはパターンがあって、紫外線の説明から始まって日焼けによるシミやしわ、たるんだ皮膚とすべてが紫外線の仕業であるかのように書いてあります。紫外線は遺伝子を狂わせガンを起こし、目のレンズを曇らせ白内症を起こすと追い討ちをかけてきます。そして、「あなたの紫外線対策は万全ですか?」とダメを出してきます。そして、○○クリームでUVカットは万全です。話がうまくそこにつながっていきます。

色の白い人は皮膚ガンにならないのか? そこで、皮膚ガンについて調べてみると、日本で2000年に皮膚ガンで死んだ人は10万人当り0.8人です。亡くなった人は10万に当たり765.6人です。うちガンは235.2人です。皮膚ガンで亡くなるより交通事故やおぼれたり転んで亡くなる人の方がずっと多いのです(表1)。15歳以下の子どもの皮膚ガンはゼロです。こう書くと死者が少ないのは治療が進んでいるからで、皮膚ガン自体は増えていると反論する人もいるかもしれません。そういうことも考えられます。私の知人のように「足の裏に黒子(ほくろ)がありますよ。ガンにならないうちにとりましょう」と手術された人もいます。いくつか疫学調査もありますが日本人の皮膚ガンは増えていないのです。調べるのが難しいこともありますが。

さて、紫外線は急性の症状への対応です。日焼けして水泡ができたりということに気をつけるならクリームもいいでしょう。でも、日焼け止めクリームが皮膚ガンを予防できるという証拠はありません。マスコミや化粧品の宣伝による情報はかなり誇大だということです。
環境庁が「紫外線保健指導マニュアル」をつくって学校などに配っています。早速読んでみました。「ウム! 環境問題をクローズアップするのには紫外線が手っ取り早くて都合のよい教材なんだ。これを宇宙からくる放射線にしてしまうと荷が重過ぎて国民は絶望的になってしまう。紫外線はほどほどによい」というのが感想です。環境問題に関心をもってもらうために手ごろな素材なのかもしれません。環境省のホームページで読めますから関心のある方はのぞいて見て下さい。

まあ、「色の白いのは七難かくす」といいますから白さを重要と考える人は日焼け止めクリームも使うでしょう。そのときは、クリームの成分の害についても考えて下さい。被害例があります。これまで祖先が日本でちゃんと皮膚ガンにならずに生きてきたことが生存の保証しています。

アフリカから始まった我々の祖先はメラニン色素を作る能力にたけていたが、移住していくうちに、太陽光線の弱くなるヨーロッパや北極圏に住んだ人は少しでも太陽光線を吸収できるようにメラニン色素を作る能力が低くなり、白人になったとされます。赤道近くに住む人は逆にメラニン色素を作る能力は高いわけです。日本人は中間型となるわけです。こうした長い歴史的な時間をかけて生存んするために適応してきたシステムが急激に侵されることは少ないのです。オゾンホールができて紫外線の量が2倍も3倍も増えたら大変だという心配は白人の中にあります。オーストラリアの紫外線と皮膚ガンの調査は有名ですが、イギリスの太陽光の少ないイギリスからオーストラリアに移住するという大実験をした結果、紫外線が多いところに住んでしまった人たちの中で皮膚ガンが多いという疫学調査は暗示的ではあります。黒人や我々黄色人種は紫外線には有利な条件であると思っています。常識的な生活(日焼けのし過ぎとか、スキーや登山で本人が必要だと感じる時は防御)で重装備な防御は必要ないと思います。でも心配でしたら、自分や家族と話し合ってお互い納得できるところでやってみるのも良いのではないかと思います。

最後に、私は日本人の中ではよりたくさん紫外線を受けていると思いますが、皮膚ガンでは死なないと思います。

表1 皮膚ガンと他の死因比較
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死亡原因 人
皮膚がん 0.8
交通事故 10.2
転倒転落 5.0
溺死 4.8
喘息 3.6
結核 2.1
貧血 1.4
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10万人当りの死者数

 

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