フッ素で虫歯予防は根拠無し


フッ素は歯のエナメル質を硬くしていなかった

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健康情報研究センター 里見宏(Dr.P.H..)


●フッ素は根拠のない効果で推進しされてきた予防法
 フッ素推進派の歯科医師は「フッ素が歯のエナメル質に直接作用し、ハイドロキシアパタイトからフルオロアパタイトを生成してエナメル質に耐溶解性をあたえ、また結晶エナメル質結晶の格子不整を修復し、う蝕抵抗性を与えます」と言い続けてきました。
しかし、なぜかフッ素を使った人間の歯にフッ素が入って結晶ができているという報告がないのです。
 人間の歯のエナメル質で簡単に化学反応が起こって新しい結晶構造ができるという話は生物の恒常性から考えてもおかしいのです。老化とともに骨が弱くなっていく骨粗鬆症にフッ素を使ったが効果がないということで使うのをやめたことからも歯だけが特別という話に矛盾を感じていました。
 1939年、J.F.ヴォルカーという人が歯の表面にフッ素が入り込んでフルオロアパタイトを作るので硬くなっているに違いないと推理したのが始まりだという論文読んで合点がいきました。これをその後誰も確かめないで本当であるかのように説明に使ってきたようです。科学の世界ではありえないことです。

●フッ素の効果を実験で確認したら「嘘」だった
 明海大歯学部口腔解剖学分野の筧光夫講師はレーザー光などを使って結晶構造が分析できる「顕微ラマン分析装置」でフッ素処理した歯と合成したアパタイト結晶でフルオロ化が起きているか分析したら「メディアを通じて宣伝されているような結晶構造中におけるフッ素イオンの置換は認められずフルオロ化は起きていなかった」と確認したと報告しています。
また、フッ素を体内に入れた場合、エナメル質と骨が作られる過程でフルオロアパタイトが出来るか確認したら、逆に結晶構造に欠陥が認められた。
骨でも欠損が起き、わずかのフッ素でも酵素の生成が阻害され、そのためにエナメル質や骨に異常が起きていることを報告しました。
結晶ができないばかりか、欠損が起きていて、これが酵素の阻害剤として起きるフッ素の毒性なのです。
この実験でフッ素の虫歯予防の中心になる論理が完全に無効になり効果が否定されたのです。
再度言いますが、フッ素で虫歯予防は根拠がない嘘の効果だったのです。下記の論文をぜひ読んでください。これから似た実験が行われ結晶構造にフッ素が入らないということが証明されていくと思います。

筧光夫「生体アパタイト結晶形成機構とフッ素イオンの影響」

●それでもフッ素に虫歯予防効果があると頑張る向きに
 水道水のフッ素化で、虫歯予防効果がある(14.6%)と英国のヨーク大学のレビューではなっています。もしこれが事実ならフッ素の殺菌作用という仮説が有力になってきます。しかし、殺菌剤で15%程度の効果では予防薬としては余りにも切れが悪く、他の殺菌剤の方が効果があります。現実に歯磨き企業は「塩酸クロルヘキシジン」や「ネオステリングリーン(塩化ベンゼトニウム)」などが配合されています。
 世の中の人も殺菌剤で虫歯を予防ということになれば経験的に殺菌剤を口の中に入れる危険を知っていますから、多くの人が殺菌剤を拒否すると思います。フッ素を推進する教育委員会や校長もこれが事実だとわかれば考え方を変えざるをえません。それでもやると凝り固まっている人たちにはどうするかです。子どもにやらせる時の責任の取り方から、効果の確認までどのようにするか説得していく以外にないかもしれません。

●学校で行う緊急性も必要性もない
 虫歯予防は集団で予防しないと感染が広がっていく病気ではありません。行政が積極的に介入して行う必要もないのです(公衆衛生の発動の緊急性も必要性もない)。
 行政は個人の虫歯予防に本人家族から相談されたら手助けすることで充分です。フッ素洗口で虫歯予防は安く済むとか、学校でやると効果的というような推進派の歯科医の発想で行うことは間違です。学校で間違ったことをすると間違った教育効果が植え付けられる危険は避けなければなりません。
 教職員は行政がフッ素洗口を推進するに当たって検討した全情報を公開させる必要があります。誰がその情報をどのように検討したかの経過を公表させるのです。

●フッ素はインプラントのチタン合金を腐食するが問題に
 インプラントの軸になるチタン合金をフッ素が腐食・変質させるのでフッ素入りハミガキを使わないようにした商品があります。チタンが腐食される旨をインプラント学会の会員に連絡したところ、これに日本口腔衛生学会のフッ化物応用委員会委員長の真木吉信の名前で「フッ化物配合歯磨剤の適正使用を低年齢から高齢者までのすべての人々に推奨してきた経緯があり、自分の歯を保有する人々に明らかなう蝕予防効果を認めてきたので、これを中止することによるう蝕リスクの増大を危惧することから、今回、フッ素化応用委員会より本件の見解を発出いたしました。後日詳しい情報を改めて提供する旨、申し添えます。」という文書が出ました。歯に起きる危険よりフッ素使用が崩れる危険の方が重要だと思っているようです。インプラント用歯磨き剤はジェルコートIPというもので歯科医向けに販売されています。フッ素無添加歯磨き=代わりに「塩酸クロルヘキシジン」添加されています。

●法律・条例を作って行う虫歯予防法は危ない
 議員立法で作られた「歯科口腔保健の推進に関する法律」(2011年8月。)はやる側とやられる側に分かれ、やる側の責任を問わない仕組みで問題があります。「法律でやれというからやったのだ」という責任逃れを言う人が出てくると思います。虫歯予防はフッ素でやれと決めるのが間違いです。

 フッ素が関連する異常として
(1)骨肉腫やガンが大人になって出る危険がある。
(2)そもそも予防薬も含め薬は毒です。諸刃の剣を予防に使う歯科医は子どものことを考えていない。
(3)養護教員はフッ素洗口に反対するための準備をしましょう。まず、下記の事例を参考に申し入れをしましょう。学校の子どもの虫歯の実態を把握し、ハイリスクの子どもたちに具体的にしどうしましょう。これまでのやり方で十分ですが、保護者への情報提供と理解を求めましょう。

動機が不純なフッ素推進歯科医の責任は重い
「これからのむし歯予防 わかりやすいフッ素の応用とひろめかた」
編集 飯塚喜一、境脩、堀井欣一 学建書院 1993年 2,369円に、「近年、アメリカでは、むし歯予防に成功するにしたがって、期せずして地域住民との高度の信頼関係が樹立され、歯科医師の社会的な地位の向上がもたらされ、その結果、歯科医療に対する需要は増し、歯科医師の収入は大幅に増加したというのです。(歯科保健向上の成果によって国民一人あたりの現存歯数が増加し、歯科医師一人当たりの健康管理を要する歯の数が増加することを意味しています。−中略− 急速な老人人口の増加と、入れ歯希望者の増加から、−略― 膨大な診療時間の増加が見込まれています。−略― 国民総生産GNPの伸び率は39%であり、一般医師は56%でしたが、歯科医師のそれは116%という大幅な収入の増加がもたらされたのです」)
 歯が多く残れば手入れで収入が増え、老人が増えて入れ歯で収入がふえるという胸算用が日本に通用するか? 現在、勤務歯科医の平均年収が621万円まで落ちています。(厚労省「賃金構造基本統計調査」)

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