続「照射ホッキ貝」についてマルハ(株)より回答

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マルハ(株)より下記のような回答がありました。質問にきちんと答えて欲しかったというのが感想です。回収を発表したとき、きちんと情報を集めないで、食べた人をただ安心させるために健康上問題ないと書いていたことがわかりました。今回の回答にはその延長で1回や2回食べたって心配ないと平気で書いています(本文では「お客様が短期間に少量摂取することについては、安全性にほぼ問題ないと認識しております」)。食べたらすぐ死ぬような急性毒性を示すものが食品に使われることはまずありません。考え方が基本的に間違っています。だいたい、違法なこと、やってはいけないことをチェックできる体制を持っていない会社なのです。照射された貝の多くはすでに食べられているのです。今、食品で起きている問題の質を理解していないのです。マルハは似た事件をまた起こす危険がある会社だといえます。

マルハは「今年の打ち合わせに中国にいってはじめて照射されている可能性に気がついた」とあるマスコミに話しています。しかし、照射の事実が発覚した経緯にいくつかの説があります。「中国側からの請求書の値段が紫外線殺菌に比べ高かった」ということがきっかけだった。「ある研究機関の食品検査で照射によってできる特有な物質が検出され、確認を求められたなかで事実が発覚した」など諸説がありますが事実はまだ確認できていません。カナダ産のホッキ貝に大腸菌がいたので殺菌を頼んだら中国で照射されていたということが異常だと思いませんか。



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食品照射ネットワーク 様                                        平成16年3月3日
                                                   マルハ株式会社環境品質管理部
                                                                        部長 諏訪 義人

弊社回収広告に関するご質問に関して

この度は弊社製品で放射線照射されたホッキ貝を国内に流通させてしまったことに関して、皆様に多大なるご心配をかけましたことを、最初にお詫び申し上げます。以下にご質問に対する弊社の考えを述べさせていただきます。

放射線殺菌食品の安全性に関して、弊社の“お詫びとお知らせ”の広告において、FAO/WHO/IAEAの放射線殺菌に関する記述を引用いたしました。これは弊社独自の実証データを持ちあわせていない中で、ミス発見から回収までの限られた時間内で情報を整理し、お客様に提示する義務がありますが、短期間に集めた資料の中では公的/国際的機関の見解が最も広く受入れられると判断いたしました。

ただし弊社としては、海外で安全と評価されたものであっても、国内における放射線使用に対するコンセンサスの問題、変異物質に関する評価等の理由で照射量に関わらず食品保存のための放射線殺菌が国内で違法とされていることは十分認識しています。従って間違いに気がついた時点で出荷を即停止し、東京都に自主通知した上で、厚生労働省の指示を待って製品回収を実施しました。

照射食品の安全性に関する情報はインターネットを利用して収集しましたが、当該製品の単発的な事故でお客様が短期間に少量摂取することについては、安全性にほぼ問題ないと認識しております。ただし、放射線殺菌食品の継続的摂取に関する影響については、弊社としては判断材料が乏しいためコメントを差し控えさせて頂きます。

照射食品に限らず、環境ホルモンや残留化学物質など、食品に対する安全性が大きく問われております。国際間の安全基準・法律の違いもあり、常にリスクが付きまといますが、海外に大きく食料を依存している我が国にあって安全な食品を提供してゆくことは私ども社員一人一人の使命と心得ております。

今回の事故を教訓として、海外の製造工場における工程確認、および放射線殺菌が原料処理で使用されない事の再確認を急遽実施いたしました。皆様にご理解のいただける商品供給に今後とも務めてまいります

以上

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