放射線照射ジャガイモ

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「照射ジャガイモをどこに出荷しようか。群馬県みたいな反対運動がおきてもこまるし、学校給食に使ったのがまずかった。おかげで、親が怒って全県的な反対運動になってしまった」
 アメリカで肉への照射が認められたのはいい。「こうなったら外圧という奥の手で行くしかないか」
 春の足音が聞えてくると、草木は芽をだす。しかし、この時期に芽のでないジャガイモが売り出される。人間に強い放射線をあてれば子どもが作れなくなる。植物も同じで放射線をあてると芽がでなくなる。人間では大変なことでも、ジャガイモなら平気。この芽が出ない「放射線照射ジャガイモ」が端境期(3月から4月頃)に生食用や加工用に出荷される。
 問題は放射線を照射すると、放射線の強いエネルギーが核の周りを回っている電子を飛ばしてしまう。その結果、新しい化学物質やフリーラジカルというものができる。この毒性が問題になる。1978年、照射ジャガイモに続いて”照射たまねぎ”が許可される予定でしたが、動物実験で死亡率の増加、睾丸と卵巣の重量減少、生殖器の異常や骨の奇形が現れることから「遺伝毒性」などの実験が追加された。その後、許可された照射食品はない。それどころか、10年以上たって公開されたデータから、照射ジャガイモをラットに与えた実験で、体重減少、卵巣重量の減少、死亡率の増加などが起きていた。しかし、国はラットで異常があってもマウスの実験で異常がなかったから大丈夫と毒性を否定してきた。ところが国会質問でこのマウスの実験データがなかったことも判明している。
 さて、信じられないかも知れませんが、世界の人々から「日本人は放射線をあてた食品をよろこんで食べている」と思われています。なぜなら、北海道で18年以上も前から照射されているからです。各国からは「日本政府はジャガイモに照射を認めているのだから、他の照射食品を認めない」という理由はないはずと言うのです。試験的に照射エビを日本に送ったというタイ政府関係者の報道や、中国からの照射ローヤルゼリー加工品、ブラジルからの照射ヒメマツタケが発見され処分されている。
 輸入農産物の農薬や食品添加物に代わる方法として、食品への放射線照射がクローズアップされている。今、「照射食品はいらない」と態度を明確にしないといけない。


 表1にまとめたのは、世界の国々が日本へ照射を認めさせたい食品群です。

表1 世界から日本に輸出を準備される照射食品群

豚肉、鶏肉、海老、魚介類、水産加工品(切り身、塩蔵、薫製、練製品)、家禽(アヒル、七面鳥など)、ソーセージ、食用蛙の足、冷凍肉、乾燥卵、ホットドッグ用骨なし肉、酵素液、粉チーズ、イーストパウダー、 パパイヤ、マンゴウ、イチゴ、ドライフルーツ、トマト、サクランボ、スモモ、バナナ、アボガド、ブドウ、クリ、ナシ、コーヒー豆、ハーブ、ラズベリー、ナツメヤシの実、スグリの実、乾燥バナナ、レイシの実、冷凍果物ジュース、グリーンピース、アーモンド、ハーブ茶、 たまねぎ、じゃがいも、小麦、米、豆類、スパイス類、トウモロコシ、にんにく、シャロット、乾燥野菜、ココア豆、マッシュルーム、アラビアガム、アスパラガス、エンディブ(サラダ用)、ライ麦パン、麦芽、ショウガ、松茸、キノコ類

他に、照射は家畜の飼料や血液までと広範にわたる。

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