レバ刺しは放射線照射で食べられません

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 食品衛生法で食品への放射線照射は禁じられています。しかし、今年7月の「レバ刺し禁止」に「放射線照射を」という申し入れが厚労省に出されました。放射線で殺菌すれば特有な臭いが出ます。冷凍して照射すればよいとマスコミも書きましたが、肝臓内の菌を完全に殺すには1万グレイから5万グレイの照射が必要です。しかし、この量での照射は臭くて食べられません。

 ウインナーソーセージで臭いがなるべく出ないように放射線の量を少なくして実験されました(3,000グレイと5,000グレイ照射)。この線量でも色が退色して、目的の殺菌はできず、菌は生き残ってしまいます。菌が増えて7日から9日後には菌が増えてネトが出て腐ってしまいます。

 毎日新聞(7月16日くらしナビ)は市川まりこさん(原子力委員会の食品照射専門部会に消費生活コンサルタントとして委員となって照射食品を推進してきた人)が冷凍したレバーを日本原子力研究開発機構に持ち込み1,500グレイと3,000グレイで照射してもらい臭いや色を調べたということが書かれています。コメントで「放射線なら、レバーの内部にいる病原菌を殺すことができる。他に殺菌の方法がないなら、照射も選択肢の一つになりうるのでは」としている。この記事を書いた小島正美記者は1,500グレイと3,000グレイでは殺菌ができないことについてはまったく触れていない。この記事は1,500グレイと3,000グレイで殺菌できるという誤った世論を作り出してしまうでしょう。


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