被曝の危険がある照射ジャガイモの出荷停止を

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2013年1月18日
厚生労働大臣
田村 憲久 様

照射食品反対連絡会
代表世話人和田 正江(主婦連合会)
飛田 恵理子(東京都地域婦人団体連盟)
真下 俊樹(日本消費者連盟)
里見 宏 (食品照射ネットワーク)


照射ジャガイモの誘導放射能確認実験と確認されるまで士幌町農協から出荷される「照射ジャガイモ」の緊急出荷停止を申し入れます。


理由

 北海道の士幌町農協より照射ジャガイモが出荷される時期が迫ってきました。しかし、照射ジャガイモは誘導放射能を生じ、食べると内部被曝をする危険が出てきました。
国立医薬品食品衛生研究所は2002年から04年まで3年をかけて、アメリカ陸軍が行った照射食品に関する実験資料を調査し(1968年、米国は兵士が食べるベーコンへの放射線照射を禁止した。このときのデータが軍の機密とされた)、その結果を「X線並びにγ線を照射した食品に生じる誘導放射能(Bull.Natl.Inst.Health.,125,107-118(2007)」と題して報告しています。

この報告書は放射線を照射した牛肉やベーコンから自然界にある放射線の2.4倍から3倍の誘導放射能を検出したというものです。
また、この報告の中に「照射食品の検知に使用できないかとの観点から10MeVの電子線照射による誘導放射能を予備的に測定した。Natick研究所の研究よりもっと広い範囲の元素について,放射化が観測されており,50年後の理論と高い測定技術に基づき,この問題はさらに精査が必要だろう。」と記しています。
これは放射線を照射した食品から放射線が出るということです。しかも、検知法に使えるということは現在許可になっている照射ジャガイモからも放射線が出るということです。
しかし、厚生労働省は1971年の「放射線照射による馬鈴薯の発芽防止に関する研究成果報告書」には誘導放射能が生じないことが確認されている旨の発言をしていますが、この研究成果報告書のデータには下記のように記載されています。

「NaI(TI)検出器の性能ではとうてい細かい差はみられないし、その他コバルト60γ線照射から測定まで約3ヶ月経過していること、試料に熱をかけて灰化してから測定していることなどの条件を考えると差のみられないのは当然である。このように精密さを欠く実験結果ではあるが、食品のγ線スペクトルはあまり報告されていないので、本実験結果は食品衛生上の論議に何らかの寄与をすると思われる。」と、誘導放射能が生じるかどうかを確認することができない実験であった旨が報告されています。
また、誘導放射能の測定は照射してから「約3ヶ月」と書かれていますが、照射年月日は昭和42年10月23−25日で、測定日は昭和43年6月24−25日で、照射してから8ヶ月も経っています。当時、照射後3ヶ月までは実験に使うなという話が出ていましたから、影響したのかもしれません。もしくは消費者が食べるのは照射してから3ヶ月経った頃からとされていましたから、8ヶ月経ったものでは実験の意味がなくなってしまうという思い込みがあったのかもしれません。要はこの実験では誘導放射能が生じるかどうかについてなんら確認ができていないということです。
もっと大きな問題があります。照射食品から出る誘導放射能について、照射食品推進派は放射線が出るとしても短時間であり問題ないとしています。しかし、いま照射ジャガイモは照射直後のものが市場に出回っています。写真のラベルは昨年4月、東京の店舗で購入したものです。4月5日に照射されています。(写真参照)



照射後1ヶ月も経たないジャガイモを食べた消費者は内部被曝をしている可能性があります。この内部被曝は少ない量であっても人為的な被曝で重大な問題です。この問題を放置すると、消費者は厚生労働省に対し大きな不信感を持ちます。
この誘導放射能という新たな問題が浮かび上がってきました。厚生労働省におかれましても緊急に誘導放射能の有無を確認されるよう申し入れます。なお、この真偽が確認されるまで「照射ジャガイモ」の出荷を停止するよう申し入れます。
まことにお手数ですがご回答を2月8日までにお願いいたします。下記住所への郵送かメール、電話でもかまいません。
なお、ご参考までに食品安全委員会に申し入れました文書同封いたします。

[連絡先]
照射食品反対連絡会
106−0032 東京都港区六本木6−8−15 第2五月ビル2F
照射食品反対連絡会事務局
Tel:03-3402-8841 メール:sshrk09@gmail.com

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