フッ素有効はAP通信の誤報だった 〜続報〜
編集部 |

前号のニュースレター(Vol.43)で、英語版毎日新聞に掲載された「水道水フッ素化の安全性が証明された」という報道記事が、実際の研究報告の原文内容と大幅に違っていることを取り上げましたが、その後、その研究を行った科学者自身が、事実を歪曲して自分たちの都合のいいように報道したこれら水道水フッ素化推進派を非難し、訂正を求める意見を発表しました。
毎日新聞英語版の記事もAP通信(ロンドン発)が配信したものでしたが、この「誤報」はイギリス国内でもかなり大きく報道されたようです。英国フッ素協会、英国歯科ジャーナル、英国医科ジャーナル、その他英国内外の歯科協会等が同様の報告を掲載し、水道水フッ素化の安全性と有効性が確認された、と大々的にふれまわったようです。ついにはイギリス健康省の大臣までがこれを真に受け、議会(2000年10月30日)で「虫歯が高頻度で発生している地域の健康関連当局等で口腔健康推進の一環として水道水フッ素化を検討するよう奨励する。各地域での水道水フッ素化の決定は、その安全性と有効性について検証した今回の文献研究の報告により、権威と信頼のある研究結果に裏付けされることになる」と発言してしまったようです。
以下はフッ素推進派の各団体が、この研究報告を受けてインターネットや雑誌上で発表していた内容です。
英国フッ素協会はインターネット上で
・今回の研究はフッ素化の有効性と安全性を再保証するために実施された。報告は確かなもので、水道水フッ素は有効であり安全である。
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水道水中フッ素と健康影響(副作用)との関連がないことは明白である。
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更に重要なのは、今回の研究が、水道水フッ素化が歯科健康に関する社会的不平等を減少させることを確認したことである。貧困層の子供たちと裕福な子供たちの歯科健康状態の差を狭めることが明らかになった。
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研究報告では、班状歯は「審美的問題」であり、健康問題ではないと言っている。水道水フッ素化されていない地域でも発症している、とも言っている。
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この研究報告を受けて、政府は「住民から強力なフッ素化要求がある地域の水道会社に対して、水道をフッ素化するよう法的な義務を課すべき」と情報を流している。
英国医科ジャーナルは発行する雑誌の論説欄に「研究者は、水道水フッ素化が歯科健康に関する社会的不平等を減少、貧困層の子供たちと裕福な子供たちの歯科健康状態の差を狭めさせることを確認した。フッ素化が有害な影響を与える可能性があるとする根拠は何ら見つからなかった。班状歯については、フッ素化が『審美的問題』にすぎない班状歯の発症数を若干増加させることが推測された。天然フッ素化水と人工的にフッ素添加した水道水との差は何らみられなかった。」と紹介している
一歩で、そもそもこの文献研究自体を、偏った手法で行われた不完全なもの、と批判する声も挙がっていました。イギリスでフッ素反対運動を続けている非営利団体「ナショナル・ピュア・ウォーター・アソシエーション」は、今回の文献研究は水道水フッ素化の影響しか検討しておらず、その他の経路からのフッ素曝露も検討するべきだった、と指摘しています。研究対象にする文献の選択方法に偏りがあり、有害性を示した研究論文を対象から除外するために途中で選択基準が変更されたことなどを批判しています。
こうした動きの中でこの研究を行った責任者であるトレヴァー・シェルドン教授は次のような声明を発表した。
<研究者が公表した手紙:2000年12月10日付>
「先日発表された英国ヨーク大学内NHSCRDによる水道水フッ素についての文献研究報告の内容が、その後、広範囲で誤って伝えられていることについて、当研究の顧問研究者グループの代表および責任者として懸念を表明する。この調査研究の報告はブリティッシュ・メディカル・ジャーナル誌に掲載されたが、その後、この調査報告の内容を誤って伝える記者発表等が、英国歯科協会、英国フッ素協会など、多数の機関により行われたことを非常に憂慮しています。以下の点について訂正を願います。
1 水道水フッ素化による虫歯減少効果は認められるものの、これらの研究の質は中程度。推測される効果も15%程度で、「非常に有益」とは言い難い。
2 研究では、水道水フッ素化と高頻度で発生する斑状歯との有意な関連性を明らかにしている。しかし、このことを「審美的問題にすぎない」とは言っていない。
3 研究は、水道水フッ素化が安全だとは結論していない。研究対象とされた研究論文の質が低すぎ、重症の斑状歯や副作用発生の可能性について確定的な結論は導き出せなかった。本研究の結論では、今後この問題に関して、より多くの研究を実施する必要性があることを延べた。
4 水道水フッ素化が歯科健康に関する社会的不平等を減少させた、というデータ(証拠)はほとんどなかった。
5 研究では、水道水フッ素化の経済効果性については、結論に至らなかった。また、人工的に添加されるフッ素と自然界に存在するフッ素による効果の違いについても、結論に至らなかった。
6 本研究は非常に厳格な基準で行われたため、通常の調査研究と比べてより慎重で非断定的な結論となっている。
7 これまで何十年もの間に多数の研究が実施されてきたにも関わらず、政策決定の参考になるような信頼できる確実なエビデンス(証拠・結果)が非常に乏しいことに、研究調査にあたった研究者チームは非常に驚いた。より確実な証拠を導き出せるような高品質の研究が実施されるまで、水道水フッ素化の効果と経済性を巡る科学論争は続くだろう。
トレヴァー・シェルドン博士(Professor Trevor Sheldon, MSc, MSc, DSc,
FMedSci.)」
水道水フッ素化が科学的な根拠がないままやられてきたことがだんだん明確になってきています。しかし、日本はこれから水道水フッ素化をすすめようというのです。36号でもお知らせしましたが腎臓の悪い人たちにとってはフッ素化など迷惑の一語に尽きます。
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