子どもの予防接種ワクチンに含まれる水銀で自閉症に?

編集部

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小児の予防接種で使われるDPT三種混合やB型肝炎ワクチンなど多くのワクチンに添加されている保存料が副作用を引き起こす可能性があることがアメリカで問題になっており、現在この保存料を使わないワクチンへの切り替えが早急に進められています。今年3月に、予防接種を受けた後に子供が自閉症を発症したとして製薬会社を訴える民事訴訟も起きています。

問題となっているのはエチル水銀を主成分(重量の49.6%)とするチメロサールです。アメリカで現在ワクチンへの添加が認められている保存料はチメロサール, フェノール, 2-フェノキシエタノール、塩化ベンゼトニウムの4種類。このうちチメロサールは、1つのバイアル(容器)を複数回使用する際の混入感染を防ぐ目的で、ワクチンや医薬品などに保存料として1930年代から使われており、FDA(米国食品医薬品庁)によると、アメリカ国内で現在流通している50種類以上の認可ワクチンおよび生物製剤に(0.003〜0.01%の濃度で)使われるなど最も広く使われています。FDA(米食品医薬品庁)が製薬会社を対象に1999年に実施したアンケート調査では、チメロサールを保存料として使っていると製薬会社側が解答してきたワクチンおよび生物製剤は、ジフテリア、破傷風、トキソイド、百日咳、インフルエンザ、B型肝炎、肺炎球菌、日本脳炎の各ワクチンと、蛇毒血清、ヒト・イムノ・グロブリン、おたふく風邪皮膚テスト用抗原、ウマ血清でした。日本でもインフルエンザ、B型肝炎、日本脳炎などのワクチンにチメロサールが添加されています。

1999年6月にFDAが行った研究では、乳児の予防接種スケジュールに沿ってワクチン接種を受けた場合に、接種ワクチンの種類や接種時期、乳児の体重などによっては、EPA(米国環境保護庁)が定めたメチル水銀のガイドラインを超える量のエチル水銀に暴露される乳児がいることが明らかになりました。エチル水銀については許容摂取量などのガイドラインは今のところありませんが、この場合はメチル水銀のガイドラインを適用すべきだと研究者らが判断しました。EPA(米国環境保護庁)が定める許容量の基準は、政府機関の中でも最も厳しく、体重1kgあたり1日0.1μgです。これに対しATSDR(環境有害物質・特定疾病対策庁)の基準は0.3μg、FDAは0.4μg、WHO(世界保健機関)は大人0.47μg・妊婦0.1μgなど差があります。FDAの行った研究では、予防接種スケジュールに沿ってワクチン接種を受けた場合に、生後6ヶ月までの乳児の摂取量が、FDAの基準は超えないものの、EPAの基準は上回り、体重の軽い乳幼児の場合はATSDR(環境有害物質・特定疾病対策庁)の基準も上回る、という結果が出ました。

それでもFDAなどアメリカ政府機関は、ワクチンに含まれるチメロサールの副作用は軽度の皮膚過敏症の他には確認されていない、と強調します。しかし、日本の水俣病で広く知られるようになったように、水銀が神経毒性を持つことは知られており、おたふく風邪、はしか、風疹、B型肝炎などの予防接種を受けた後に子どもが自閉症の症状を発症したケースが実際にアメリカ国内で多数報告されています。

アメリカ・アトランタ市ではしかなどの小児予防接種を受けた当時1歳の男児が、その後、言葉をしゃべることができなくなるなどし、最終的に自閉症と診断されました。母親が男児の受けた予防接種の内容を調べたところ、男児はEPAガイドラインの125倍もの水銀に暴露されていたことが分かりました。
また、2001年3月23日には、テキサス州ダラス市にある法律事務所が、小児用ワクチンに含まれるチメロサールによって予防接種を受けた多数の子供に水銀中毒を引き起こさせた、として製薬会社を訴える民事訴訟を起こしています。

こうした自閉症などの重篤な副作用については、アメリカ政府機関は、ワクチンの保存料チメロサールに含まれる水銀との関連性を今のところ認めていません。しかし、CBER(FDA生物製剤評価研究センター)とCDC(疫病管理予防センター)により共同管理されているワクチン副作用報告システム(VAERS)は、ワクチン接種後に発達異常や自閉症を引き起こしたとする多数の症例をFDAに報告しており、FDAはこれを重く受け止め、現在ワクチンと自閉症の関連性について研究を進めていることを明らかにしています。

AAP(アメリカ小児科医協会)とPHS(アメリカ公衆衛生局)は1999年7月に、「チメロサールを含むワクチンはできる限り早急に撤廃すべきだ」、「乳児にB型肝炎の1回目の予防接種を受けさせる時期はできる限り時期を遅くし、生後すぐではなく生後2ヶ月〜6ヶ月の月齢になるまで待つべきだ」、「FDAはチメロサールの安全性についてより詳しい調査をすべきだ」などとする共同声明を発表しました。FDAも同月、製薬会社を対象に、チメロサール無添加の医薬品の開発計画を報告するか、またそうした計画が現段階でないならばその理由を報告するよう促す通知を出しました。CDC(疫病管理予防センター)とNIH(国立保健研究所)も、チメロサールの健康影響を研究するための予防接種安全性検討委員会をIOM(医薬品研究所)の独立委員会として共同で発足させており、つい最近2001年7月中旬にも、ワクチンと自閉症、ADHD(注意欠陥過活動性[多動性]障害)との関連について検討する会議を行っています。アメリカ連邦議会の政府改革委員会の委員長も、現在アメリカ国内で市販されているチメロサールを含む50種類以上のワクチンをリコールするよう保健社会福祉省に最近要請しています。

こうした動きの中で、2000年3月以降、チメロサールを保存料として含まない小児用予防接種ワクチンが次々と開発され、FDAの認可を受けています。これまでにチメロサール無添加のB型肝炎ワクチン、b型インフルエンザ菌ワクチン(Hib)、ジフテリア・破傷風トキソイド・百日咳ワクチン(DTaP) などが開発され、無添加ワクチンへの移行が進んでいます。その結果、子どもが通常の予防接種スケジュールで暴露されるエチル化水銀の最大量は約60%(6ヶ月間で187.5μgから75μg程度まで)減ったといいます。しかし、チメロサール添加ワクチンが全面的に使用禁止になるわけではなく、これまでに製造されたチメロサール添加ワクチンは在庫がなくなるまで今後もまだ使われることになるため、不安は残ります。また、予防接種ワクチンではこのようにチメロサール除去対策が進んでいますが、チメロサールはまだ小児用点鼻薬、点耳薬、高齢者用インフルエンザ・ワクチンなど他の多くの医薬品で使われ続けています。

日本でもインフルエンザ、B型肝炎、日本脳炎、百日咳、ジフテリア、ポリオなどの予防接種ワクチンにはチメロサールが保存料として使われていますが、アメリカでこれだけ見直しの動きが起こっているにも関らず、厚生労働省は今のところ安全性について見直すような研究調査は特に行っていない状況です。今後、早急に詳しい調査研究おこなうのはもとより、食品だって保存料を使わないでよくなっているのです。ワクチンのように高価なもので保存料を使わなければならないというのが異常です。まず早急に止めるべきです。

<追加情報>
・ 水銀を主要成分とする保存料はチメロサールが最も多く使われているが、ほかにも酢酸フェニル水銀や硝酸フェニル水銀を使っている医薬品もある。
・ ワクチンには保存料の他にも、アルミニウム塩などの補助剤や、ゼラチンなどの安定剤が添加されている。
・ 水銀とアルツハイマー病の関連を示す研究結果をこのほどカナダ・カルガリー大学医学部の研究チームが発表した。水銀が、アルツハイマー病の診断マーカーのひとつである「神経原線維変化」を引き起こすことを確認。水銀がもうひとつの診断マーカーである「アミロイド斑」を形成することも以前の研究で明らかになっている。歯科治療で詰め物に使われるアマルガムに含まれる水銀量に相当する量で影響が出たと報告。(NeuroReport, 2001/3/26掲載)

(FDA、Waters & Kraus,LLPなど各種インターネット情報より)

 

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